ベースの音作りでイコライザーの使用は基本です。イコライザーの設定はいくつかテンプレとも言えるような代表的なパターンがあります。今回は「ドンシャリ」と呼ばれる音の作り方について解説します。
ベースがドン、ハイがシャリ
ドンシャリというと低音域(ベース)と高音域(ハイ)を強調したサウンドのことを言います。中音域が相対的に引っ込むことになります。低音域と高音域が強調されることにより迫力のあるサウンドになります。一方で中音域の成分は少なくなることから音抜けの良さや一音一音の聞き取りやすさは今ひとつとなるという意見が一般的です。先ずは、ドンシャリサウンドとはBASSとTREBLEを強調しMIDDLEを抑える、ということを覚えておきましょう。
イコライザ(アンプ)の設定例
画像はアンプシミュレーターのスクリーンショットです。このアンプの場合、BASSが低音域、MIDDLEが中音域、TREBLEが高音域をコントロールするつまみになっています。
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先にフラットの設定と実際の音
アンプを全てフラットな設定にしてみた音を先に聴いてみてください。BASS、MIDDLE、TREBLEすべて5で設定しています。次に紹介するドンシャリの音は、このフラットの音と比較することで違いが感じられるはずです。
ドンシャリの設定と実際の音
こちらがドンシャリのアンプの設定例です。ここではわかりやすいように超極端に、BASSとTREBLEを最大に、MIDDLEをゼロにしています。実際のアンプでもこれでいい音が出れば良いですが、ここまで極端にやるシナリオはあまりないかもしれません。おおよそBASSとTREBLEが8あたり、MIDDLEを3あたりにするのが王道でしょう。
ドンシャリがマッチするシーン
低音と高音が強調されるサウンドはスラップ奏法と相性が抜群です。サムピングによる低音弦の音、プルによる高音の音が強調されるためフラット設定でのスラップよりも迫力が増します。アンプのイコライジングを変えながらスラップを試してみて、違いを実感してみると良いでしょう。指弾きやピック弾きでももちろんドンシャリらしい音が出ます。非常に迫力のあるサウンドになるためバンド演奏でもファンキーな曲や轟音系の曲なんかにマッチする印象です。弾いていて気持ちの良いドンシャリサウンドですが、中音域が薄く低音と高音が強調されていることから芯の無いサウンドとも言えます。バンドの他の帯域と被って全体的に音が埋もれてしまいがちですので、やり過ぎに気をつけ、バンドの音がベース起因で崩壊していないか常に気を配るようにすると良いでしょう。