ベースを弾くのにエフェクターは必要?

有名なベーシストをはじめ、いろいろな演奏の映像を見ると足元に小さい機械がコロコロ並んでいるのを見かけることがあると思います。そもそもあれは何なのか?何のためにコロコロ並んでいるのか?今回はベースにおけるエフェクターの必要性について考えてみました。

エフェクターってそもそも何?

エフェクターは音の入り口(楽器)〜出口(アンプなど)の間に接続することで様々な音の効果を得るためのものです。たくさんの種類がありますがざっくり分類すると以下のような感じになります。

歪み系

オーバードライブ、ディストーション、ファズ等

揺れ系

コーラス、フランジャー、フェイザー等

フィルター系

ワウ、ワーミー等

ダイナミクス系

コンプレッサー

空間系

ディレイ、リバーブ

アンプ系

プリアンプ、アンプシミュレーター

あれがない、これがない、等あるかもしれませんが、細かく解説するとそれだけで記事になるのでここでは大まかなものだけ列挙しました。あと大事なポイントですが、歪みは「ひずみ」と読みます。「ゆがみ」と言うと恥ずかしいのでご注意ください。

基本はエフェクターなんか要らない

エフェクターがなくてもベースは弾けます。その場合アンプ等に直接ベースを接続します。アンプにはイコライザーがついているのが殆どのため、これを操作することで音作りをすることができます。これで自分が満足する音が出せれば、その時点でゴールです。エフェクターは登場しません。ベースにおいては実際にアンプ直でやっている人も沢山いますし、エフェクターを使わないことが珍しいことではありません。アンプとベース本体の間にエフェクターを挟まないことで信号の劣化を防げると言うメリットもあります。だからエフェクターは必要か?と言われると必要では無いのです。ではなぜ足元にエフェクターをコロコロさせているベーシストが多いのか?それは次に挙げる「必要なケース」に何かしら該当しているからでしょう。

必要なケース1:アンプだけだと何となく音に迫力が無いと感じた時

これは、アンプ直での出音の結果と、何らかのエフェクターを通した出音の結果を比較した時に、エフェクターを通した方がいい音がしたとベーシストが判断したケースとも言い換えられます。盲目的にエフェクターを買ってきて何となく繋いでいるのではなく、アンプ直と比べてどうか、というところがポイントです。定番のアンプシミュレーターであるSANS AMPは通すだけでかっこいい音が出るのでこういったサウンドを求めてエフェクターを導入するベーシストも多いですね。

必要なケース2:曲の中で特殊な音色が必要になった時

歪み、揺れ、フィルター、空間あたりはどうしてもアンプ直では表現できない音になってきます。曲によってはこういったエフェクトが必要になることがあるので、その場合はエフェクターを導入することになるでしょう。

例えばコーラスを通すとこの動画のような音が出ます。こういった音が必要であればエフェクターを使う必要があるでしょう。

必要なケース3:どのアンプでもある程度同じ音を狙いたい時

ベースアンプはどのスタジオ、ライブハウスに行っても必ず同じ機材が置いてある、なんてことはなく、いく先々で違うアンプが置いてあることが殆どです。アンペグなど定番のアンプもありはしますが、自分のアンプを持ち歩かない限りは基本的に毎回違うアンプを使うことになります。当然アンプごとに音のキャラクターは違うので、アンプ直の場合は毎回同じ音を作ることはなかなか難しいということになります。ここで、プリアンプ等の音質を司るエフェクターを使っていれば、ある程度は「いつもの音」をいつでも再現できるようになります。ある程度と言ったのは、いくらアンプの設定をフラットにしてもアンプごとの違いは結局出てくるので、完全に同じ音を毎回再現できるわけではないからです。こういったニーズに応えるため、プリアンプアンプシミュレーターが必要とされます。

最後に

結局のところエフェクターを繋ぐ「目的」がはっきりしていれば自ずと必要になるエフェクターが見えてきます。目的が曖昧だったり、アンプ直での音を色々と試せていないうちは特にエフェクターが必要になることはないはずです。色々なエフェクターについては、今後別の記事で取り上げていきたいと思います。

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