ベースのレギュラーチューニングについてまとめます。ここでは4弦および5弦ベース(low-B)を対象としています。
各弦の開放音
一番細い弦を「1弦」、そこから一つ太くなるに従い「2弦」「3弦」「4弦」「5弦」と言います。レギュラーチューニングではそれぞれ以下の通りの音にチューニングします。4弦ベースの場合は5弦は無視してくださいね。
5弦 | B |
4弦 | E |
3弦 | A |
2弦 | D |
1弦 | G |
基準となる周波数を覚えておこう
チューナーを使用する際に意識しておきたいのが基準となる周波数です。ベースのチューニングは基本的に「A」音を基準とすることが多いです。ではこの「A音」とは周波数でいうとどんな音なのでしょうか。実は、答えは一つではありません。
基本はA音=440hz
A音とは…
- 440hz
- 441hz
- 442hz
- 上記の±5hzくらいの範囲
一般的なバンド演奏においては、A音は「440hz(ヘルツ)」を基準とするのが通例です。ほとんどのチューナーがデフォルトでは440hz基準になっているので、何も考えずにチューニングしていれば440hz基準になっているはずです。普通はチューナーに基準hzを変更できる機能がついているので、441hz,442hz基準にチューニングするのは難しいことではありません。439hz以下や443hz以上を基準とする場合もあるみたいですが、バンド演奏ではあまり聞きません。
440hz以外を基準にするケースとは
結論から言うと、「一緒に演奏する楽器が同じ周波数を基準にチューニングできていれば何でもいい」です。ベースやギターは弦の張り具合で容易にチューニングを変更できますが、例えばピアノはそう簡単に調律できませんよね。そうすると自ずとピアノの基準にベースが合わせてチューニングをするのが正、となるでしょう。ピアノは442hzとか441hzで調律されていることが多いようです。ピアノに限らず、一緒に演奏する人とチューニングの基準をどうするか会話して決めることが大切です。ちなみに、バンドのA=440hzが通例というのも固定観念でしかないと個人的には考えていて、私は441hzで合わせた方が明るい響きがするので好きです。
基準音さえ決まれば全弦チューニングできる
レギュラーチューニングにおいて、ベースは各弦の5フレットを押さえた音がひとつ隣の細い弦の音と一致します。例えば、4弦5フレット=3弦開放=A音、となります。これを利用することで、基準音がAの場合3弦の開放さえチューニングできれば全弦チューニングすることが可能です。4弦の5フレットを押さえた音と3弦の開放が一致するようにする。それができたら3弦の5フレットと2弦の開放を合わせる、という具合です。
でも440hz近辺だけがA音じゃない
ここまでA音は440hzあたりで全部の楽器が揃ってればいい、と話しましたが、Aと呼ばれる音は440hz近辺だけではないことを補足しておきます。たしかに基準は440hzなのですが、Aにも高いAや低いA、つまりオクターブ違いがありますよね。440hzを半分にしたり倍にしたりした音は全てA、つまり55hzも110hzも220hzも440hzも880hzも1760hzも3520hzもAの音です。基準に対してそれ以外の周波数を「倍音」と言います。じゃあベースで3弦の開放を鳴らした時に鳴ってるのはどの周波数なのでしょうか?答えは、「多かれ少なかれ、全部」です。ほとんどの楽器は音を鳴らすと「倍音」を含んだ音が鳴り、どの周波数が多いのかによって聞こえる音色が変わります。ベースの場合50〜数百hz近辺がいわゆる「低音」にあたりこの成分が多く鳴っていますが、それ以外の倍音も一緒に鳴っています。ベースを弾いていてペキペキいう音がすることがありますが、あれは1000〜3000hzあたりの音です。ということで、ベースでAを鳴らせば多かれ少なかれ440hz(あたり)の倍音は含まれています。
バンドメンバーに「Aちょうだい」と言われたら
もう分かりますよね。3弦の開放を鳴らしてあげればOKです。