ベースにおける半音下げチューニングについて考えてみます。取り組む曲が半音下げチューニング表記になっているからといって何も考えずに半音下げチューニングにしていませんか?この記事を読むと少し考えが変わるかもしれません。
半音下げチューニングの音
半音下げチューニングをする場合、以下の表のように各弦をチューニングします。
半音下げチューニング早見表
4弦 | E♭ |
3弦 | A♭ |
2弦 | C# |
1弦 | F# |
チューナー無しで半音下げにするやり方
チューナーがあれば上記の表の通りの音に合わせればOKです。レギュラーチューニングから半音下げにするのであれば、チューナー無しでもチューニングすることができます。まずは3弦を4弦の4フレットの音に合わせます。そうすると3弦が半音下げになるので、次に2弦を3弦の5フレットに、1弦を2弦5フレットに合わせます。これで1〜3弦がチューニングできました。最後に4限を3弦7フレットの音に合わせます。オクターブ違いで合わせづらければ、4限の12フレットの音と3限7フレットが合うようにします。これでチューナー無しで半音下げチューニングにすることが可能です。チューナーほどの精度を出すのは難しいので、あくまで応急処置的なやり方としてご紹介します。
半音下げにせずに何とかする方法
半音下げチューニングの方法を説明しましたが、そもそも半音下げチューニングにせずに弾くことはできないのか考察します。
E♭が必要なときだけ1オクターブ上の音を使う
結局のところ、半音下げチューニングにしたときに増える音は4弦開放の「E♭」だけです。4弦の開放音が一番低い音ですが、ここが半音下がった音が使えるようになるわけです。たしかに「低いE♭」は半音下げでしか得られない音なのですが、この低いE♭の1オクターブ上のE♭ならばレギュラーチューニングでも使うことができます。例えば4弦の11フレット、3弦の6フレット、2弦の1フレットがそうです。4弦開放を使うのと感じは変わりますが、同じ音ですので曲としては成立します。「低いE♭」を使わなければレギュラーチューニングでも曲を弾くことはできるのです。
5弦ベースを導入する
5弦ベースであれば5弦の存在により使える音が増えます。5弦により増える使える音は、B,C,C#,D,E♭になります。E♭が5弦の4フレットに位置しますので、これを使うことで半音下げチューニングの曲を弾くことができます。
半音下げチューニングにするメリット
それでも半音下げチューニングが必要とされる場面はあります。
半音下げの開放弦を使ったフレーズが使える
半音下げチューニングにすれば各弦の開放音が変わります。そのため開放弦を使ったフレーズはどうしてもレギュラーチューニングでは対応できないか、できても難しかったりフレーズを単純化するなど考える必要があるでしょう。
レギュラーチューニングで書かれたスコアと同じ動きで弾ける
レギュラーチューニングの曲をボーカルのキーなどの都合で半音下げる場合があると思います。この場合、半音下げチューニングした状態でTAB譜と同じように弾けば良いので、TAB譜をそのまま活用できるメリットがあります。