ベースのスキャンクストライプとは?その目的と意味を解説

ベースギターやエレキギターのネックの裏側に見ることができる縦のラインは、初心者にとっては何か謎の存在かもしれません。その名前は「スキャンクストライプ(Skunk Stripe)」と呼ばれ、この記事ではその意味と目的について解説します。

1. スキャンクストライプとは何か?

スキャンクストライプは、一部のベースやエレキギターのネック裏側に見られる長くて細い縦のラインで、多くの場合、ネックの木材とは異なる種類の木材や材料で作られています。この特徴的なラインは、特にフェンダー社のストラトキャスターやテレキャスターなど、伝統的なアメリカ製のギターやベースによく見られます。

2. スキャンクストライプの目的

その目的は、単純に装飾的なものではなく、製造過程での役割があります。スキャンクストライプの下には、ギターやベースのネックの調整に使われる「トラスロッド」と呼ばれる金属棒が埋め込まれています。トラスロッドは、弦の張りによって生じるネックの反りを調整し、演奏性と音質を最適化するための重要な機能を果たします。

元々フェンダー社ではネックの前面(指板側)からトラスロッドを入れていましたが、1950年代後半に設計が変更され、指板とネックが一体化したネック(ワンピースネック)に対してネックの背面からトラスロッドを入れる方式に変更されました。その際にネック背面に切った溝を埋めるためにスキャンクストライプが追加されたのです。

3. スキャンクストライプの種類

スキャンクストライプは主に木材で作られていることが多いですが、中には金属やプラスチック製のものもあります。また、色や素材の違いにより、見た目の特徴も変わるため、ベースやギターのデザインに一役買っています。

4. スキャンクストライプの有無

スキャンクストライプは、ギターやベースの品質や音質に直接的な影響を与えるものではありません。スキャンクストライプの有無は、ギターやベースの製造方法やデザインによるものであり、スキャンクストライプがないからと言って品質が低いとは限りません。

逆に、スキャンクストライプがないネックは、トラスロッドを入れるための溝を指板側に開け、その上から別の木材を張り合わせて指板を作るという方法(ツーピースネック)で製造されています。この方法は、製造過程がより複雑で高コストとなる反面、指板とネックの素材を別々に選べるため、音色や演奏感に違いをもたらすことが可能となります。

まとめ

スキャンクストライプは、ベースやギターのネック裏側に見られる縦のラインで、主にトラスロッドをネック内に埋め込むための製造工程から生じたものです。装飾的な要素もありますが、それ以上にギターの構造や製造方法に由来する特徴であり、その存在はギターやベースの製造過程とデザインに密接に関連しています。スキャンクストライプの有無でギターやベースの品質が左右されるわけではなく、その存在は各楽器の個性とも言えるでしょう。

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