ベースの主要な奏法のひとつである「ピック弾き」。その主役となるピックにはどんな種類があるのでしょうか。厚さや素材など、ベースを始めたばかりの人に向けて「ピック」そのものにスポットライトを当てて解説します。
代表的なピックの種類を紹介
ピックにも色々な形があります。形状、特徴と名前を結びつけて覚えておきましょう。
おにぎり
おにぎり型の三角形をしたピックです。おにぎり型の中にも丸みを帯びているもの、正三角形に近いもの、角が尖っているものなどバリエーションがあります。
ティアドロップ
おにぎり型より尖った形をしているピックです。ベーシストが使うピックはおにぎり型かティアドロップ型がほとんどのシェアを占めている印象です。
JAZZ
ティアドロップより小さく、さらに尖っているピックです。おにぎりとティアドロップは1.2mmくらいの厚さが一番分厚いことがほとんどですが、JAZZ型はさらに厚い2mm、3mmのものがあります。もともとジャズギタリスト向けのものらしいですが、個人的には速弾きギタリストが好んで使っている印象。
サムピック
サムピックは手で持つのではなく、リングを親指に通して装着して使います。ベースに使っている人を私は見たことがありませんが、サムピックをベースに使いこなして素晴らしい演奏をしている人が居たら相当カッコいいと思います。
その他
上記に該当しない変形ピックも存在します。
ピックの厚さ
ピックには色々な厚さがあります。よく見かけるJim Dunlopの亀のマークのピックは次の厚さをラインナップしています。
- 0.50mm
- 0.60mm
- 0.73mm
- 0.88mm
- 1.00mm
- 1.14mm
おおよそ、0.6mmまでが薄め、0.88までが普通、1mm以上が厚め、と覚えておきましょう。Fenderのピックはmm表示されておらず、Thin,Medium,Heavyという分け方になっていますが、だいたい上記のような厚さの区分けになっています。一般的には、薄いものはギターのストロークのような弾き方に向いており、普通の厚さはオールランド、厚いほど単音弾きに向いていると言われます。実際、ベースに使用する場合薄めのピックでは弦の張力に負けてしまい、音がぼんやりしてしまううえ、弾きづらいです。個人的には、ベースには厚さ1mm以上の厚めのピックが使いやすいと考えます。人によっては薄いピックの方がいい、という人もいるかもしれません。色々な厚さを試してみて、音と弾きやすさが自分にマッチするピックを探してみましょう。
ピックの素材
たくさんの種類があるので細かい種類を挙げることはしませんが、樹脂系、プラスチック系、金属系、木製あたりが主要な分類になります。ポイントは素材によって演奏面では「音」「弾きやすさ」が、ピック自体の特性では「硬さ」「削れやすさ」が変わってくるということです。極端な例ですが、プラスチック系の素材と金属系ではプラスチック系の方が演奏によってピックの側面が削れやすい傾向があります。音についても違いがあり、プラスチック系がスタンダードな出音だとすれば金属系はよりギラッとした出音になります。金属っぽい音を求めて10円玉をピックにすることもできます。演奏性は低いですが、そういった音を狙って出したい場合はこれも「有り」になります。
結局、はじめて買うならどのピック?
どれでもいいです。と言ってしまうと元も子もないので、定番のピックをいくつか紹介します。
Jim Dunlop トーテックス 1.0mm
「亀のピック」と言えば伝わるくらい定番のピックです。硬さが程よく、使いやすいです。また、色々なリハスタでも売っているのをよく見かけるのでピックを忘れた時にもすぐいつものピックが買える点もメリットです。
Fender Heavy
Fenderのピックも手に入りやすく、定番の一つです。ツルツルしており、亀のピックとは持った感じが結構違います。
Fernandes Heavy
すべり止めがついているのが特徴です。私は最初ピックを使っている時にどうしても弾いているうちにピックがずれてしまって困っていたのですが、このピックならズレが緩和されて弾きやすく感じました。
最後に
ピックの「厚さ」「素材」によって音が変わってきます。本当にたくさんの種類があるので自分に合うピックを探してみましょう。今回の記事ではピック自体について書きましたが、ピックの「奏法」には触れませんでした。例えば、ピックの弦への当て方ひとつによっても音が変わってきます。奏法については別の記事で書きます。